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2007.09.17

羽生善治さんの集中力と直感力

羽生善治さんを紹介したDVDを観た。『NHKのプロフェショナル仕事の流儀』だが、特典につけられた放送しなかった1時間あまりの対話がたいへんためになった。

勝負師というのは、その集中力や直感作法において学ぶことが多い。

コンサルタントをやっていても、教師をやっていても、勝負師と通ずるものを感じている。
対戦するわけではないが、高い緊張をもって対峙し結果を即座に出す必要があるという意味で、常に臨戦であり、一挙手一投足が成果に反映する。
いつも楽しいかと言われると楽しいばかりではないが、楽しい部分が大きいから持続できているのだろう。

羽生さんは淡々としている。30代をすぎてそうなったと言う。20代は先を読み尽くす覚悟で対戦した。徹して理性で解決した。

勝ち負けとは読み切れるかどうか、ということだろう。

30代は記憶力においても処理力においても陰りを感じたという。性能では勝てなくなった。若くして高い性能を持って世の中に出た人だから、自分の存在を否定したい気持ちだったろう。

30代は感性の対決になった。感性とは複雑な変数の一斉処理を言う。言語化せずに、潜在意識下で一瞬に処理する。直感であり集中力だ。

集中には心理的安定が必要になる。感情をあらわにすると潜在意識を呼び起こしにくくなる。だから対戦の際、千駄ヶ谷の将棋会館に生き返りするパタンを固定にした。雑事を減らした。

雑念は拘泥すると逆効果なので自然にまかせ、かまわぬ姿勢にした。対戦はいつも数分前に会場に到着しすぐさま対戦に入る。雑念を無くす工夫だ。

玲瓏という、白居易の長恨歌に出てくる、玉のような透明感を表す言葉で自分の心理を表現していた。

集中には単純作業がいい、扇子をたたむ所作は集中のためだ。

集中できない日もあるという。その時は無理をしない。力がかろうじて切れないようにつなぐ。少しづつ集中力を紡いでいると相手から集中する意欲をもらうことがある。

玲瓏な状態は直感がよく働く。直感もまた好みに任せるという。好きなものが答えであることが多い。

わあ、ここまで書いていてよくわかった。
結果、一言で言えば自然体ということだ。
自然体になることだ。

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2007.09.09

人生の転機

黒沢明監督の少年時代が日経の美術面の記事になった。
学業が芳しくなかった明少年の才能に気づき画業を進めたのは図画の先生だった。
立川というこの図画教師は、既成の方法にとらわれず「ただ好きなものを自由に描け」と言い、それに応えるように明少年は「色鉛筆が折れるほど力を入れ塗った色に唾をつけてこすったりして」勢いよく描いた。同級生は絵を笑ったが教師は怖い顔を教室を見回しそしてほめた。指に唾をつけてこすったところがとてもよいと三重丸をつけた。

明少年はここで人生が変わる。絵のお陰で学業も伸びやがて級長になり(そんなことはどうでもいいが)、そしてそれは世界のクロサワへの第一歩となった。

クロサワを作ったのは立川先生だ。
強みを引き出し伸ばすことが教育。
これがすべてではないか。

強みを伸ばすことを教えてくれたのは末吉にとっては小林惠智博士だった。
なんて大切なことを学んだのだろう!

日経新聞本紙・美の美p20~

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2007.09.07

戦略心理学とでもいうか…

顧客満足を引き上げることは、利益を減少させる、トレードオフの関係にあると思いこんでいる人はけっこう多い。機能や品質を上げる努力はコストが高くつくとうことだ。それでも顧客満足度を引き上げることは長期的にみれば、ロイヤリティを引き上げ、利益につながるというのは合理的な考え方だろう。

今回の米アップルのiphone値下げは、顧客満足度をあげるどころか満足度を大幅に引き下げる事態だったとすぐさま思った。問題は599ドルで買った客だ。まだ発売して3ヶ月も経たないのに値下げでは、先に購入した人の不興を招く。新しいモノ好きの僕も何度も不満に思ったところだ。

CEOのジョブスという人は策略家だ。彼は8GBモデルを決戦の時だと考え200ドルも下げたが、すぐさま599ドルで買ったユーザーに100ドルのアップルストアのショッピング券を贈る決断をした。

このショッピング券でまもなく新しいipodナノを買うことになるだろうということと、200ドルの値下げに対して100ドルの買い物券というこの微妙なバランスに何とも言えぬジョブスの心理戦略を感じるのだ。

大満足ではないが、不満でもない、微妙なバランスが100ドルという金額にある。

詳細はhttp://japanese.engadget.com/2007/09/06/iphone-jobs-leter/

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2007.09.06

最高のタイムマネジメント

仕事は思いついた時にすぐに始めるのが最良のタイムマネジメントだね。
善は急げというけれど、思いついた時がもっとアイデアフルだなと思う。
ハック、仕事術というのは、時間効率が非常に重視されるけれど
これは生産効率ではなく心理効果で考えるべきだろう。
効率ではなく効果だ。

効果、つまり最小投資・最大効果環境というのは、脳の最大限出力できる状態を狙うべきだろう。

だから大半は着手のタイミングの問題なんだ。
着想した時はかなり活発だからだ。

という、そもそも論から考えて僕は着想即着手がいいのではないかと思っている。

実際には着想した時に外因でどうしても時間がとれないことがあるだろうが
たとえ10分であっても集中することがいい。
僕はタクシーに乗っているわずか10分や、新幹線でもうまもなく目的地に到着する
30分ぐらいというのが最高に気持ちいい、効果的な時間だ。

できれば、
集中できる時は集中できなくなるまで徹して一途に仕事をしてしまうチャンク的な環境があればさらにいいな
僕が独立した理由は集通時間が欲したからかなって思ってしまうね(笑)

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2007.09.03

オグルビー『想像力と知恵』

まだ広告会社にいた頃、85年頃ぐらいに広告王D.オグルビーについて勉強をかなりしていた。会社が基本的な広告作法として、オグルビーやロッサ・リーブス、シュワルツの本を積極的に読ませていたからだが、今読み返してみると大変面白い。

想像力と知恵という、未整理原稿集が日本語訳されているのだがこの中にマッキンゼーでの講演がありオグルビーをマキンゼーが英雄崇拝していたことがわかる。ともに仕事を楽しむ姿勢について書かれ、笑いがあふれる討議がその持ち味だと書いている。議論することの楽しさ、意見から発見があることの楽しさ、これは思考を商売にする人間にとって大きな価値だと、この本を読み返して思った次第。

それにもう一点、すべてをチェックリストにしてしまうところがオグルビーのおもしろみ。この本もチェックリスト集のようになっている。冒頭、感想めいたものを書き、後半がリストになっている。感情要素と論理要素に満ちた思考と表現が面白い。

まさか自分のチェックリストの本を書くことになろうとは夢にも思わなかったが、オグルビーの精神を活かして作りたいと思う。

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2007.09.02

ブランドマネージャーの誕生

青木、恩蔵著『製品ブランド戦略』によると、ブランドマネージャーの誕生はP&Gで1931年という記述があった。昭和6年だ。えらい古い。

当時のP&Gが機能別組織だったため、自社ブランドである、アイボリー石けんとキャメイ石けんがカニバリゼーションをおこす状況だった。どの商品に力をいれるか常に投資計画として軽重が判断され特定ブランドの力を削ぐ結果になった。そこで一つのブランドだけに専念するブランド独自のマネージャーが設置することになった、という。

ブランドマネージャー間でポジションを分け、競争する組織だ。この体制は改善されながら現在まで続いている。

競争と協奏というは理にかなっているなあ。

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