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2007.03.04

経営トップのコミュニケーション術

 『小倉昌男の経営哲学』というDVDを観た。日経ベンチャーでの講演ビデオだ。1995年、社長を引退する直前に録られたものだ。

 ヤマト運輸の宅急便事業の開拓者である小倉昌男といえば「小倉昌男の経営学」という名著がある。マーケティングの事例で何かベストな一冊を選んでくれと言われればこの本を選ぶだろう。この講演会の内容はこの本とほぼ同じだ。時系列から考えると、この講演内容が本になったのだと思う。

 小倉さんは、生涯人前でしゃべる機会はこれだけだろうと思って講演した。たぶんかなり核心的なことを話すつもりだったのだろう。ヤマト運輸に入社した時から引退にいたるまでを90分の時間で凝縮するように話した。

 映像は凄い。

 小さなメモを2枚もって登壇する小倉さんは、70代で観るからに高齢だけれど実に軽快にしゃべりだす。ここが経営のコツなんだというところにさしかかると少し笑みを浮かべてしゃべる。どうも癖だ。苦労したことが懐かしくまた思い返しても楽しいようだ、苦労が楽しい人なんだとわかる。

 大切なことは何度も繰り返す。
標語のように簡潔な言葉で伝えようとする。繰り返しは本ではわからない。
うわあ、これだこれだ、と思った。この繰り返しがたいせつなんだ。

 DVDで観るまでわからなかったが小倉さんは自分が思考してきた過程を順序よくしゃべりその時々に悩んだことをその場にいる人に同じように悩んでもらいながらしゃべっていく。思考過程に重点を置いている。

 最期に最も重要な経営の要諦を伝える。この部分の繰り返しがとても多い。
経営は矛盾なんだ。矛盾することを昇華することが戦略であり、戦略さえあれば後は流れるように進むと。戦略を伝えた僕はもう会社にいらないんだと。

 矛盾だから伝え方がたいせつ。一つのことしかいわない。「利益よりもサービス」だってと断言することが現場に迷いを与えない。

 そうなんだな、これが戦略なんだなと本当に感心した。

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